〜外は白い雪の夜〜


  ひらりと落ちてくる幾つもの羽根があった。
真っ白な外見を持つそれは、下へ下へと舞い降りる。
音も立てず、ただゆっくりと・・・



  その羽根は地上へと向かっているようであった。
そのうちの一つが、大地に到達する前に何かに触れて消えてゆく。
その一つだけが例外ではなかった。



  どれくらいの時間が経ったのだろう・・・
無事に地上へ降りた羽根が積もるくらいの刻であろうか。
その羽根は、こうしている間にもどんどんと積もっていく。
それらを追いかけるようにして、また新たな羽根が次々と降り注ぐ。



  決して捕まえることの出来ない羽根・・・
手を伸ばして、掌を握る。
捕まえたはずのそれは、跡形もなく消えゆく。
・・・これは夢なのだろうか。







  朝になって、目を覚ますと辺りは静まりかえっていた。
都心から少し外れているとはいえども、車がしきりに走る道沿いである為、その騒がしさで目を覚ます日々である。
それが、今日はこの静けさだ。
寝過ごしたのかとも思ったが、特にその様子はない。



  家には誰もいなかった。
しかし、時計は両親が仕事に出かけたにしては早すぎる時刻を指し示している。
不思議に思い、慌てて外に出てみた。
おかしい・・・
人通りが全くないのである。
いつもなら、時間帯に関係するでもなく、しきりに通り過ぎる大型車の轟音が騒がしいのだが。



  再び、家の中に戻り、テレビをつけてみるが、その反応は虚しい。
自分の頭がおかしくなってしまったのではないかと思ったが、事態が事態だけに、追求することはしなかった。
ここはどこなのだろう・・・
無論、自分の家であるのは間違いないのだが、それさえも疑ってしまう。



  朝だったはずの一日があっという間に過ぎていく。
どうすればいいのかわからない・・・
空は薄暗く変わっていく。



  薄っすらと明るいだけの外を眺めた。
夢・・・
そうか、あれは「夢」だったんだ。
そう呟くと、彼女は家を飛び出した。



  そこには公園があった。
ここに来るまでに、やはりというべきか・・・
全く人通りがなかった。
奥にあるブランコの腰をかける。



  いつもよりも少し冷え込んでいるようであった。
十一月といえども、身を刺すような冷気が吹き抜ける。
そのとき、目の前を白いものが通りすぎていった。
すぐに消えてしまったそれであったが、続くようにして幾片かの同じものが落ちてくる。
それは、羽根のようにふわふわとしたものであった。



  夢と同じ光景・・・
あの羽根が今も辺りを漂っている。
やはり、これも夢なのであろうか。



  掌に落ちゆくその、白い羽根を眺めていると、視界に何かが入った。
足・・・?
視線を上の方へと辿らせると、そこには一人の男が立っていた。






  何を話したのかは覚えていない。
ただ、あの後に街に活気が戻ったことだけは覚えている。
そう、男を見上げたその時から・・・
男は一体、何を伝えたかったのだろう?
そんな考え事をしながら、また歩き始めていた。
空を舞う、何色にも染まらないほどに白い雪は、彼女の目には羽根のようにしか映らなかったようだ。
すっかり暗くなった辺りを、積もった雪に反射した月光が照らす。

  その時から、また彼女の刻が動きだしたのだろうか・・・





  どうも、第1作目の短編小説・・・という体になっております(汗)
ハッキリ言って、「なんじゃこりゃっ!?」な作品に仕上がりましたね。
テーマは「幻想」という謎な感じなわけですが、雪と羽根の比喩が上手くいかなかったようにも思います。
それに、雪≒羽根はよくあるパターンですよね(笑)
そういう点でも、まだまだだなぁと思わせられるものになりました。 むしろ、話の内容がよく分からない出来になったかも・・・とも思ったりします。




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